
最終日の名寄行き車内より。ちょうど政和駅手前の雨竜川鉄橋を渡っているところ。深名線の名撮影地の一つに数えられるこの鉄橋で撮った方も多いのでは?鉄橋独特のジョイント音を聞きながら、もう二度と聞けない寂しさが確かに募っていた。
深名線 上幌加内~政和にて [RDPⅡにて撮影]

最終日となると、やはり訪れる人が多くなる分職員も多くせざるを得ない。この日も旭川管内の駅員さんが総出で出発業務、出札業務と大忙し。しかし所変われど、安全に対する責務は全く変わらない。最後の列車まで気を抜かずに列車を見送る。
深名線 朱鞠内駅にて [RDPⅡにて撮影]

1995年9月3日、深名線最後の日。この日は朝から多くの報道陣やファンが駆けつけ、何やら物々しい雰囲気も漂っていた。私も一番列車を見た瞬間からいつもとは違う一日の始まりに隠しきれぬ戸惑いがあった。
深名線 朱鞠内駅にて [RDPⅡにて撮影]

氷点下15~20℃くらいの風のない晴れた朝に発生するダイヤモンドダスト。地表の水分が雲になる前に急に冷やされ、直接氷の結晶になったもの。北海道でもなかなか見ることが出来ない。氷の結晶と列車との組み合わせ、これだけでも深名線の冬の厳しい表情と言えるのではないだろうか?撮り終えた後の余韻そして興奮は今も覚えている。
深名線 北母子里~天塩弥生にて [RDPⅡにて撮影]

こいつを求めて全国から集まるほど人気の高い「特雪」こと特殊排雪列車DD14。ロータリーで掻き集めた雪を豪快に飛ばすその勇姿は撮った者にしか味わえない。残念ながら深名線が最後の活躍の場となった北海道の特雪。叶わぬ夢だが、また北の大地でこの勇姿を見たいと思うのは私だけではないはずだ。
深名線 政和~添牛内にて [RDPⅡにて撮影]

この日、未明からの大雪で深名線も一日中運休に。それでも知人とレンタカーを借りて幌加内の奥地に。前日確かに最終列車が走っていたのだが、容赦ない降雪でまるで廃線のようにレールの痕跡がない。夕方朱鞠内を発車したラッセル車が降り積もった線路を力強く掻き分ける。北海道と言えども降り積もった雪を掻き飛ばすことは容易ではない。エンジンをフルパワーで突き進む。
深名線 添牛内~共栄にて [RDPⅡにて撮影]

白樺の木々に氷が付着するほどの凍てつく寒さ。大気中の水分が凍ってできた霧氷がそれを物語る。夕方前の気温が一気に下がる時刻。意識をしっかり持たないとこの寒さでやられてしまう。この写真を撮った後、帰る列車をストーブもない駅で一人待っている時の時間がとても長く感じてしまった。
深名線 政和~添牛内にて [RDPⅡにて撮影]