
蕗の台、白樺駅は深名線が廃止になる前の1990年に廃止になった駅だ。駅廃止前も冬季には全列車が通過していた。つまり周辺に民家はまったくない。線路がなくなって自然に還っているこの地に、もはや人間は部外者なのかもしれない。
旧深名線 蕗の台駅にて 〔ACROSにて撮影〕

私が深名線で初めて降り立った駅、北母子里。日本最低気温-41.2℃を記録したところである。かつては列車に乗り降りする乗客たちが幾度となく使った階段もご覧の状態。現在は駅舎のあった所は似つかわしくない電波塔のようなものが立っている。
旧深名線 北母子里駅にて 〔ACROSにて撮影〕

現存する駅を各駅回ったが、駅名板跡が残っていたのは意外とここだけだった。草に埋もれた駅名板跡は人影に触れることもなくひっそりと佇んでいた。錆び付いた柱が10年の時の流れを感じてならない。
旧深名線 添牛内駅にて 〔ACROSにて撮影〕

残念ながら幌加内駅舎はすでにない。せめてものオブジェがあるだけ。
廃止後もバスの待合室として使われていたが、火災焼失という不本意な形でなくなってしまった。現在駅前には道路も整備され、かつての面影は駅前食堂と電話ボックス。これでしか往時を偲ぶことができない。
旧深名線 幌加内駅にて 〔ACROSにて撮影〕

沼牛駅もまた私有地として使われているが比較的きれいなのがうれしい。駅の周りはピークは過ぎてしまったが、蕎麦の花が一面に広がっていた。西日が強くなってきた15時前、10年前ならそろそろ朱鞠内行きが来る時刻。今にも列車が来そうな雰囲気だ。
旧深名線 沼牛駅にて 〔ACROSにて撮影〕

廃止10年の今でも駅舎がそのまま残っている駅がある。もっとも個人が買い取って倉庫として使っている例が多い。この鷹泊駅もそのうちの一つ。かつて列車はここから幌加内峠に向かっていった。写真は峠側を写した一枚。
旧深名線 鷹泊駅にて 〔ACROSにて撮影〕

私の好きだった駅の一つ、上多度志駅にて。駅前はバスの回転所になるため廃止翌日一番で解体されてしまった。10年ぶりに訪れた上多度志は線路もなく痕跡を探すのは難しかった。唯一忘れ去られたかのようにあった枕木の山積みがその昔線路があここにあったことの証明か?
旧深名線 上多度志駅にて 〔ACROSにて撮影〕