
ほとんど降雪のない日でも高速で走り去る列車の後部には巻き上げた氷がうっすらとこびりついていた。気温は寒く感じないと言ってももちろん氷点下。宗谷の厳しい線路条件を定刻に走りぬきこの音威子府駅で小休止し、これから名寄盆地、塩狩峠と越えて旭川そして札幌までの道のり。まだまだ先は長い。
宗谷本線 音威子府駅にて [RVP Fにて撮影]

映画「駅-STATION-」の舞台にもなった留萌本線の終着駅増毛。すでに無人駅となって久しいが味のある駅舎は健在だ。
ここ数日暖かかったせいで雪は溶け始めていたが夜になって冷え込むと水分を含んだ雪はアイスバーンと化す。光に照らされた氷がその状況を教えてくれる。
留萌本線 増毛駅にて [RVP Fにて撮影]

曇り空の中踏切側の雪壁をよじ登って何とか遠く暑寒別山系を望むことができた。ここは高さを稼がないと列車後ろの木々が山を遮ってしまう、冬限定の撮影地と言えるかもしれない。もちろん気にしなければオールシーズン撮れるアングルではあるが。ちなみにこのキハ40 400番台はエンジンをより強力なものに改造、冬季の列車遅延防止のため2軸駆動となっており、通常の車両と区別するため前面貫通扉や客室側面扉がの塗り分けが異なる珍車。
札沼線 中小屋~月ヶ岡にて [RVP Fにて撮影]

東北本線普通列車には50系と共に12系をローカル改造した車両も走っていた。白帯もなく、こうやって最後尾も切妻むき出しでやってくるので、変な編成美に当時拘っていた私はなかなか受け入れられなかった。でも今考えればもっと撮っておくべきだった、とポジを眺めながら後悔の念がひしひしとこみ上げてきた。
東北本線 西平内駅にて [RDPⅡにて撮影]

これも武勇伝の一つになるだろうか。一番列車を降りて30分続行でくる20系「急行おが」を雪山直登して撮ったカット。今考えればかなりリスキーな写真。しかし撮れた時の手応えは相当なものなのは間違いない。
北上線 小松川~平石にて [RDPにて撮影]

北上線の特雪。これは今も走ってはいるが、岩手県側(北上寄り)の作業シーンはすでに過去のものとなっている。当時ゆだ錦秋湖駅から道なき道を歩いてトンネル上から撮って、そしてヒッチハイクで追っかけてゆだ高原でも撮ることができた。我ながらすごい根性だ。
北上線 和賀仙人~ゆだ錦秋湖にて [RDPにて撮影]

実はあまり撮った記憶がない。何かのついでに行ったのだろうか、まだ腕木式信号機やタブレットが健在だった頃の大湊線。鉛色の空の下、海風にさらされた腕木の錆びが美しくも感じる。この頃あまりローカル気動車には目を向けなかったのが悔やまれる。もっと撮っておかばよかったが残念ながらこの一枚しかない。
大湊線 陸奥横浜駅にて [RDPにて撮影]