今朝の北海道新聞web版を読んでいると、こんな記事がありました。
「JR北海道、16年度までに88車両導入 安全対策へ追加投資」
これによると、現在キハ183系で運転している特急「北斗」などをキハ261系に置き換えるとのこと。そして国鉄時代から北海道電車の礎を築いてきた
711系近郊型電車も733系に置き換えるとのこと。特急型に関しては昨今のトラブル続きで運休を余儀なくされており、運行再開まで先が見えない中、新型車両へ置き換えすることによって現状を打破する狙いもあるでしょう。方や札幌近郊を走る
711系も、現在増備が進められている733系の置き換えが一気に進む形に。
当初の計画だと、確か2014年度に置き換えると聞いていたのですが、記事によると2013年度末と書いてあって、時期が早まったのか、それとも新聞の先走りなのか何とも読めませんが、引退の時までカウントダウンが始まったのは事実です。特に
711系は私が学生時代に札幌に住んでいた時からずいぶんお世話になっただけに思い入れは強く、この電車に乗ると今でも学生時代を意識してしまうほど。
引退まであとどれぐらい渡道できるか分かりませんが、可能な限りカメラに記録していこうと思います。
函館本線 大麻~野幌にて
Nikon D4 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
無事北海道の取材を終えて自宅に戻ってきました。出来たら備忘録的に取材を振り返りたいのですが、今朝になって新聞各紙が「ブルートレイン全面廃止」という記事が出たので、まず先にちょっと書きたいなと思います。
先日、上野~青森間を結ぶ寝台特急「あけぼの」が今年度限りで廃止されるというニュースが出ましたが、今日は上野~札幌間を結ぶ寝台特急「
北斗星」も2015年度で廃止される記事が出ました。新聞によっては「カシオペア」や「トワイライトエクスプレス」は存続する、廃止されると分かれていて、もちろんJRから正式発表ではないので、この辺りはまた信憑性に欠けるかと思われますが、国鉄時代から走り続けている『ブルートレイン』が北海道新幹線開業時に引退することはどうやら事実でしょう。
私が子供の頃には『ブルートレイン』は特急列車の花形で、特に九州へ向かう「さくら」「はやぶさ」「みずほ」などをずっと見て来た身としては憧れの列車。大人になったら食堂車で食事しながら九州を旅したい、とずっと思っていました。しかし時は流れ、食堂車は早い時期に廃止され、九州ブルトレ自体も全廃。現在残っている「あけぼの」や「
北斗星」はおかげさまで何回か乗車していますが、やはり現実的に夜行列車での移動は疎遠していました。
一番のネックなのはやはり今どきビジネスホテルより高い寝台料金。早割などの航空券なんて「
北斗星」の特急券+寝台券の料金とほぼ同額。一人ならまだしも、家族連れだったらいくらかかるのやら。車両の老朽化も見過ごしできませんね。先日札幌駅で見た「
北斗星」の車両も外装がボロボロ。普通なら修繕レベルだというのにここまで使い続けるとは驚きでした。食堂車も高いし、お風呂もシャワーのみ。最近だと携帯電話やデジタルカメラ全盛となっているのに充電設備もない。
感情的にはやはり『ブルートレイン』は旅情をそそるし、完全廃止されるということは一抹の寂しさは感じますし、何より新幹線にはないオーラを感じます。でも万人がそう思うかというと、そうではない。現代のビジネス客は見向きもしないでしょうし、家族で旅行なら旅行費を抑えられる車移動が当たり前。もしくは格安の飛行機や長距離バスでしょうか。長距離で『ブルートレイン』に乗ること自体が意味のないことになりつつあります。最近JR九州が豪華寝台「ななつ星」の運行を開始し、話題を集めていますが、あれはあくまでクルージングトレイン。長距離を長時間目的地までただただ乗り続ける時代はもう終わってしまいました。
新幹線が北海道に到達する頃、日本の鉄道は一つの転機を迎えようとしています。今回の廃止報道を受けて、写真家として最後まで記録し続けたい気持ちになりました。
室蘭本線 礼文~大岸にて
Nikon D4 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II