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JR北海道 存廃議論を提案へ

今春の北海道新幹線開業に沸いたのとは裏腹に、地方路線の収益の厳しさが露わになったJR北海道。私が学生時代経験した深名線廃止から約20年経過し、一昨年5月の江差線木古内~江差の路線廃止に始まり、今年12月には留萌本線留萌~増毛間が廃止へ。その後JR北海道から「持続可能な交通体系のあり方」について発表があり、輸送密度の低い路線について自治体と協議してバス転換もしくは上下分離方式を提案したいということになりました。先日石勝線(夕張支線)新夕張~夕張間の廃止が自治体の意向もあって廃止が決定したのは記憶に新しいところ。そしてついに輸送密度500人未満7線区の存廃議論を提案することが明らかになりました。

2016年度決算で輸送密度500人キロ未満の線区は以下の9つです。右の数字は1日1キロあたり輸送密度です。

留萌本線 留萌~増毛…67
札沼線 北海道医療大学~新十津川…79
石勝線 新夕張~夕張…118
根室本線 富良野~新得…152
留萌本線 深川~留萌…183
宗谷本線 名寄~稚内…403
根室本線 釧路~根室…449
根室本線 滝川~富良野…488

広大な北海道の路線の中でいわゆる本線がここまで多いとは数字を見せられると驚きを隠せません。あくまで個人的見解ですが、距離は短くでバスも並行に運行されている夕張支線、廃止が決まった留萌本線末端区間含む全線、そして今冬から一日一往復に減便させられた札沼線浦臼~新十津川を含む非電化区間の廃止は致し方ないかと思いますが、何とか宗谷・根室本線の廃止だけは何としても避けてもらいたいのが本音です。
確かに沿線には人口が希薄で鉄道利用を促進するといっても限界があります。それでも沿線自治体が何とか知恵を絞って鉄路維持に向けて動いてほしいと思います。もう深名線の廃止の時のような辛さは味わいたくありません!

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発着本数が朝の一往復にまで減らされてしまった札沼線の終点新十津川駅。駅前では保育園児が旅人を出迎え、歓迎してくれる光景が注目されています。

Nikon D4 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
札沼線 新十津川駅にて

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こちらは災害のため長期運休中の日高本線。今のところ苫小牧~鵡川のみ列車が運行され、それ以遠はバス代行。今年北海道を襲った台風でまたも路盤が崩れ状況がさらに悪化。青い車体がサラブレッドの牧草地を再び走る光景が見られるのだろうか?

Nikon D4 / AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
日高本線 荻伏~絵笛にて

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かつては石炭の産地として蒸気機関車が多くの石炭ホッパ車を携えて行き来した夕張線。石炭列車が無くなった後、開業した石勝線に編入、改称された影響で今もかろうじて路線は存続していましたが、輸送密度は年々悪化。DMVが活躍しそうな路線だっただけに廃止決定は本当に残念。

Nikon D4 / AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
石勝線 新夕張~沼ノ沢にて

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沿線住民より多いと言われるエゾシカが線路わきに群がる光景はもはや日常。列車との衝突事故が絶えず、対策に頭を悩ましているそうです。根室にしても稚内にしても国土形成上廃止は絶対避けてもらいたいです。

Nikon D4 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
根室本線 別当賀~落石にて

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2016年12月4日で廃止されることになった、映画「駅 STATION」の舞台留萌本線増毛駅。今回廃止されることになった留萌~増毛間もまた並行のバスもあり普段の乗客はほぼいなく、加えて雪崩が発生しやすく、近年は積雪期で少しでも暖気が来ると運休し、そのまま雪解け時まで放置されるという区間。実は私もJR北海道現行路線で一番最後まで未乗だったのが同区間。あまり思い入れは無いとはいえ、鉄路の廃止は正直寂しい。

Nikon D4 / AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
留萌本線 増毛駅にて
[ 2016/08/30 23:00 ] BLOG | TB(-) | CM(0)