北海道から帰って間もなく、今度は四国へ。もっとも、今回は取材や仕事ではなく叔母のいる高知へ所用があったため出かけてきました。今回は往復とも寝台特急「
サンライズ瀬戸」のノビノビ座席で経費削減(笑)。しかも
土讃線直通の琴平行きだったので終点までのんびりと過ごすことができました。もちろん高松駅にも立ち寄って長時間停車するので駅構内の「連絡船うどん」を食べるのはデフォルト!
そしてちょうど良く「絶景!
土讃線 秘境トロッコ号」も運転されていたので琴平駅で「
サンライズ瀬戸」から乗り継ぎ(ホントは終点の大歩危駅まで乗りたかったけど時間の都合で阿波池田で特急「南風」に乗り換え)。途中スイッチバックの坪尻駅では上り特急列車と交換するためここでも長時間停車。来春より新しい観光特急に置き換わるトロッコ列車は今秋で引退するので、皆さんお名残乗車を楽しんでいました。
Nikon D5 / AF-S NIKKOR
24-70mm f/2.8G ED
土讃線 坪尻駅にて
高知では時間が空いた時に
とさでん交通を撮り歩き。伊野線のタブレット交換など狙いましたが、旧土佐電気鉄道時代からのオリジナル600形にも
とさでん交通のステッカーが貼られたりと、徐々にではありますがいろいろ変わっていました。近い将来このオリジナル塗装も消えてしまうのでしょうか?
Nikon D5 / AF-S NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
とさでん交通伊野線 八代信号場にて
そして高知を発って高松に向かうのに、わざわざ琴平駅で下車して
高松琴平電気鉄道に乗り換え。ちょうど10月末だったのでマスコットキャラクターの
ことちゃんもハロウィーン仕様でお出迎え。こうした小さなオプションでもなかなか楽しませてくれます。
Nikon D5 / AF-S NIKKOR
24-70mm f/2.8G ED
高松琴平電気鉄道琴平線 琴電琴平駅にて
道内滞在最終日は再び夕張へ。朝は本当に天気が良く、強烈な光を受けた紅葉が一段と輝いていました。列車の走っていない時間帯は夕張の旧産炭地で取材。そしてお昼の列車は清水沢にて俯瞰撮影。このSカーブ、初日に来たときは真っ白な雪景色でしたが、さすがに根雪にはならずに紅葉だけの秋らしい景色。列車が来る前から曇天になってしまいましたが、逆に影が出ないのでフラットな絵に仕上げることができました。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
石勝線 清水沢~鹿ノ谷にて
そして夕張を後にして、道東道で占冠へ、そして
南富良野町へ移動。だんだんと天気は下り坂になり、
根室本線東鹿越駅に着いた時は雷雨に見舞われました。ホントは金山湖付近で狙おうかと思っていましたが仕方なく駅で列車を待ちました。先日の台風の影響で東鹿越駅から新得駅までが不通となってしまい、ここから先はバス代行。富良野からの回送列車が到着すると、落合駅からの代行バスも到着。三名の乗客が乗り換えていきました。この代行バスは
狩勝峠を越えて新得駅まで行かず、現時点で公共交通機関を使って空知と十勝の往来が不可能となっております。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
根室本線 東鹿越駅にて
隣の幾寅駅は高倉健主演の映画「鉄道員」のロケ地として有名。ここでスナップ撮影をしていると地元新聞記者からインタビューを受けました。実はここに来る以前にJR北海道が単独では維持することが困難な線区について新聞が報道。その中で札沼線北海道医療大学~新十津川、留萌本線全線、そして
根室本線富良野~新得が路線廃止・バス転換の意向と出ていました。
南富良野町は台風による水害で甚大な被害を受けて復興を始めたばかりなのに廃線は寝耳に水だ、と町は記者に言っていたそうです。私もその三線区の中でもここ富良野~新得間は空知と十勝を結ぶ大事な路線であり
狩勝峠もあってバスの運行は困難だから鉄路は必要だと記者に訴えておきました。
しかし、幾寅駅から落合駅に向かう途中の
根室本線の線路は台風の被害から復興する気配は見せていません。流木は線路の上に乗っかったまま、土砂も線路を覆ったまま。奇しくも雨が降っていたので泥がさらに汚く見えます。本当にこの区間は復活してくれるのか、はたまたこれを機に一気に廃線へと加速していってしまうのか。推移を見守ることしかできない歯がゆさを感じながら北海道の旅を終えました。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
根室本線 落合駅にて
岩見沢の友人宅に泊めてもらい、二日目は
札沼線へ。岩見沢から石狩月形は車で30分程度で往来できるのでちょうど良かったです。早朝6時過ぎにやって来る回送列車は二両編成。その後石狩当別駅で切り離されて浦臼行き、そして新十津川行きになります。今年のダイヤ改正で
札沼線浦臼~新十津川間が午前中の一日一往復になってしまい、「日本一早い最終列車」となってしまいました。新十津川駅での園児たちによる歓迎は変わらずでしたが、いつ廃線になってもおかしくない状況なのには変わりません。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
札沼線 豊ヶ岡駅にて
そして
札沼線の後はそのまま
留萌本線へ行けばほど近かったのに(それでも結構な距離…)、どうしても撮りたい構図のためにわざわざ札幌へ行くことに。それは苗穂駅跨線橋での特急「
オホーツク」と特急「
サロベツ」の並び。一見大したことはありませんが、今年になって「
サロベツ」の札幌方にスラントノーズの0番台が入るようになり、「
オホーツク」との並びが注目されていました。しかし苗穂駅の橋上駅舎工事に伴い、この跨線橋もいつ閉鎖されるかわからないので、高速道路を使って苗穂へ。
跨線橋にたどり着き、様子を見るとちょっとおかしい。稚内に向けてスタンバイしている「
サロベツ」になぜか札幌方先頭車両には「旭山動物園号」のホッキョクグマの絵柄。そして網走からやって来た「
オホーツク」の旭川方先頭車両には同じく「旭山動物園号」のキリンの絵柄。普段は一緒に組んでいる編成がこうして他の特急同士で見つめあう光景に遭遇。何とも言えない不思議な光景でした。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 80-400mm f/4.5-5.6G ED VR
函館本線 苗穂駅にて
この並びを撮った後は再び道央道~留萌道を経由して
留萌本線へ。12月4日限りで廃線となってしまう留萌~増毛間は実は今まであまり撮ったことはなく、今更感が強かったのですが、ともかく記録はしようと思い沿線へ。ただでさえ運行本数が少ない上に撮影ポイントがあまりわからない中、とりあえず箸別の跨線橋などで手堅く抑えましたが、友人たちの素晴らしい写真を見ると今まで撮ってこなかったことを改めて後悔。廃線までのカウントダウンがもうそこまで来ている中、どうしても焦りだけが募ってしまいます。この区間には縁がなかったと自分に言い聞かせるしかありません…。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
留萌本線 留萌~瀬越にて
本業が多忙になる10月、紅葉が真っ盛りの北海道へなかなか行けませんでした。しかし夕張で取材案件が発生し、うまい具合に今年はポッカリと数日空いたので、飛行機とレンタカーという強行スケジュールで渡道してきました(ホントは北海道新幹線で往来したかったのですが時間の関係で断念…)。三日間変えた北海道秋紀行をそれぞれの日に分けて、簡単ではありますがつづりたいと思います。
新千歳空港でレンタカーを借りてまずは
石勝線沿線へ。途中滝ノ上駅に立ち寄ると線路の道床に雪が見え、新夕張駅付近に進むと雪雲が見え、そして沼ノ沢駅付近に来るとついに雪がちらついてきました。まだ10月なのに、という思いはありましたが、まあ北海道ではいつ降ってもおかしくない状況。雪もすぐ止むだろうと思っていましたが止む気配はなく、だんだん紅葉の木々が白くなる始末。その時撮れた写真がこちら。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
石勝線 清水沢~鹿ノ谷にて
まだ葉が残る紅葉の中の雪景色って狙って撮れるものではないので、とても貴重な絵を撮ることができました。この列車の撮影後、結構雪が強く降って少々焦りました。そしてそのままこの列車と新夕張駅で接続する
石勝線臨時特急を撮影するために国道274号線を走って楓信号場へ。夏の台風の影響で新得駅付近の鉄橋が流されて現在札幌~トマム間で「臨時特急」として運転。普段は特急&貨物街道のはずが一日三往復しか列車がやって来ない閑散ローカル線と化していました…。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ
石勝線 楓信号場にて
その後夕張の取材先へと向かいましたが、そのついでに
旧大夕張鉄道南大夕張駅へも立ち寄りました。折からの降雪の影響でまさか冬眠(雪囲い)する前のキ100などの保存車両を雪景色で見れるとは思いもしませんでした。やはり雪がついた除雪車は絵になりますね。とても貴重な光景でした。
Nikon D5 / AF-S
NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
旧
大夕張鉄道 南大夕張駅